▼オフテクスホールディングス株式会社 Tさん
OPHTECS CORPORATION 海外営業部(台湾出身2022年4月入社)
日本と海外の価値観の違いを埋めるのが海外営業の腕の見せ所
~正直に状況をお伝えし、海外の代理店との信頼関係の構築を心がけています~
- Tさんはいつ頃、入社されたんですか。
2022年4月入社です。今年2年目です。
- 元々、留学生だったんですか。
はい。日本の大学に入って、就職活動を経て、オフテクスに入社しました。
- 専攻は文系ですか、理系ですか。
文系ですね。メーカーとは関係のない、観光マーケティングの勉強をしていました。
- 学生時代には社会人に対してどんなイメージを持っていましたか。
パリッとしたスーツを着て、毎日外回りをするようなイメージですね。日本はマナーを大事にするので服装はもちろん言葉遣いもばっちりというイメージを持っていました。
- オフテクスに入社してから、社会人や働くことに対するイメージはどのように変わりましたか。
キラキラの後ろには努力が必要だとわかりました。新しい環境に入って、ゼロから知識を身につけていく過程で、理想のキラキラになるには事前準備や勉強が大事だと気づきました。はじめは、大学時代に勉強したことを活かせば、それほど勉強しなくても大丈夫でしょう、と思っていましたが、実際、会社に入ると、勉強が続いていくことを実感しました。それが一番大きな気づきです。
- 新しく学んだこととは、具体的にはどんなことですか。
留学生はみんな感じることだと思いますが、学生時代なら日常会話レベルで全然問題ないのですが、社会人になると正しい日本語を話さないといけないし、かつビジネス日本語、敬語、メールの書き方などで、最初は苦労しました。自分は留学生の中ではイケている方だと思っていましたが、全然そうではなかったんです。
- 留学生で敬語が使えないことを心配している人は多いと思いますが、社会人になるまえに学んでおいたほうがいいと思いますか。
個人的な見解にはなりますが、入社後でも全然遅くはないと思います。勉強したことを実践できる場にいた方が、勉強するモチベーションにもつながると思います。入社前からコツコツ勉強するのはもちろんいいことですが、おそらく敬語を使う場面があまりないし、本当に合っているかどうかがわかりませんよね。ですから、入社後に実践の中で学んでいくことのも大事だと思います。
- オフテクス入社後、最初に研修はありましたか。
はい。1ヵ月の新入社員向けの全体研修が終わったあとは、国際営業部の研修がありました。海外関連の仕事になりますので、それぞれの地域の特徴などを上長から教えていただきました。海外で販売されている製品の研修もありました。
- それぞれの国によって特徴は違いますか。
全然違います。販売する商品から、その国の特徴が見えることがすごく面白いと思っています。台湾で販売されている「ティアーレW」は日本と同じパッケージで販売しています。台湾だと、日本と同じままでは販売許可を得るのは難しいので、商品説明は中国語にして、台湾の専用のパッケージを作りました。
海外商品のパッケージは営業チームでも考えます。代理店が海外のお客様のことは一番理解しているので、向こうのリクエストを一旦海外営業チームでまとめて、国内のマーケティングチームに共有して、よりよい商品を作る、という流れです。
- Tさんが入社してから経験した業務について教えていただけますか。
国際営業部に入ってから、座学を約3週間受けて、その後、1ヵ月ぐらいは先輩と一緒に動きます。OJTですね。最後の研修は、2か月間、先輩や上長に相談しつつ、1人で業務を進めて行きます。自分でどこまで考えて、どこまでできるかを確認されるお試し期間ですね。
入社半年後から、1人で代理店とのやり取りを始めます。ただ、不安を感じたらすぐに相談することができるので、今でもわたしはよく相談をしますし、相談しやすい環境だと思います。
- 以前から海外営業を希望されていたということですが、海外営業のどんなところがいいと思っていたんですか。
はじめ、わたしは観光業界を目指していたんです。ただ、コロナの時期だったので、まったく求人がなかったんですね。海外とのつながれない状況でした。海外につながる仕事がほかにないかと考えて、海外営業にたどりつきました。
まず日本製品を海外に伝えることを就職活動の軸にして、その後メーカーにしぼりました。また、バックヤードではなく、コミュニケーションを取って人と話して、製品の良さを直接伝えたかったので、海外営業を希望しました。
- 入ってみてどうですか。夢は叶いましたか。
はい。叶いました。実は観光がやりたいという夢も叶いました。お客様が商談で来日するとき、スケジューリングやアテンドをしています。大学で学んだ観光の知識が全部使えるし、わたしのこれまでのスキルと新しいスキルを活かせる仕事かなと思っています。
お客様がいらっしゃるときは、ホテルを探して、「飛行機のこの便に乗ってくれば何時に商談ができますよ」とご提案します。空き時間があれば、「ここが個人的にお勧めのスポットですよ」とか、海外のお客さんが絶対に知らないレストランを案内したりすると、お客様はすごく喜んでくれます。
- コロナのときは、海外のお客様との商談オンラインだったんですか。
そうですね。コロナのときは主にオンラインでした。入社半年後の11月頃から、コロナの規制が緩和されて、お客様が商談のため、日本にいらっしゃって、4、5回商談をしました。
- 展示会などの商談もありますか。
そうですね。商談のスタイルは、三種類ぐらいです。新商品のローンチ(launch、公開)の商談、展示会とその後の商談があります。ほかにはオフテクスの工場と研究所を見学していただいたりします。そのときは、ビジネストークというよりはオフテクスの良さを見ていただいています。
- 海外の代理店を通した海外ビジネスを展開されていますが、普段仕事をする上で、心がけていることはありますか。
日本と海外の考え方、価値観の違いをどうやって埋めるかを心がけて動いています。たとえば、「めちゃくちゃ売れました。早く入荷してください」というとき、「早い」という意味が全然違います。日本だと、1ヵ月が早い、ということになりますが、海外だと「1週間後に商品を到着させてほしい」という意味だったりします。この考え方の違いをどうやって埋めるかが、わたしたち営業の仕事だと思います。
たとえば欠品になったとき、「今すぐほしい」と言われても、1ヵ月後の話で、その穴になってしまう3週間はどうするのか。わたしたちの事情を話して、納得してもらわないといけないし、欠品になったあとの対策法を提案しないといけない。この仕事の大変なところですが、うまくやればスムーズにいくと思います。
- 価値観の違いはどうすれば埋まると思いますか。
わたしは正直に事情を全部話します。嘘を言ったり、「すみません」と謝るのではなくて、向こうは「なぜ、できないのか」と理由を聞きたいと思っています。こちらの考え方を伝えれば、理解もしていただけるので、そこで価値観のギャップも埋められると思います。
わたしは誠実に言います。逆に相談もします。「早くご提供したいんですが、今、実は工場はこういう事情がありまして、いつ頃までに出荷をすればいいでしょうか」と言うと、オフテクスは代理店のことを考えて動いてくれているんだと理解してもらえます。
- そういったことが、Tさんは最初からできたんですか。
全然そんなことはないです。最初は「わたしたちはキャパオーバー(限界)で作れないんです」とは、お客様にはすごく言いにくくて、言えなかったんです。すると、相手は「わたしたちは後回しなんですか。日本国内と比べたら、優先順位が低いんですか」となってしまいます。相手を軽視していると誤解されてしまうと他社の商品を販売しよう、ということになってしまいます。ですから、今は「できません。このような対策はいかがですか」とご提案して、最初からお客様を巻き込んで一緒に考えるようにしています。
- 社内の雰囲気はいかがですか。
東京オフィスはとても風通しがいいです。マーケティングチームと一緒に仕事をすることも多いのですが、悩みを相談すればアドバイスをくれますね。
- Tさんから見て、オフテクスにはどんな性格、キャラクターの方が多いですか。
熱心な方、面倒見のいい方が多いです。わたしが大変そうにしていたら、「大丈夫? 何か手伝おうか」と声をかけてくれます。周りの状況をよく観察している人が多いです。みんな優しいし、協力しながら、仕事をする体制ができています。
たとえば、国内の学会で営業をしてきた先輩にやり方を聞いて、海外の学会での営業方法、商品説明を簡潔に言うためのアイデアをもらったりします。医師の方は忙しいので、説明するときに工夫が必要です。短い時間におすすめをして、即決してもらえるかどうかが大事になってきます。
- Tさんは海外営業ですが、日本国内での営業の経験はあるんですか。
国内営業からのスタートでも良かったのですが、はじめから海外営業でした。国内営業もいつかやってみたいと思って、今、頑張っています。
- 仕事をされているなかで、何か失敗をされたことはありますか。
わたしはスケジュールの逆算がすごく苦手なので、行動するのがぎりぎりになってしまうことがありました。たとえば締切りが20日で、18日から始めて、20日に完成しても、上長が確認する時間がありませんよね。そういう失敗が結構ありまして、最初は自分の目標を達成したのだからそれでいい、と思っていましたが、上長やほかの部署に迷惑をかけてしまうこともあります。こういった小さな失敗が大きな失敗につながりそうなので、今のうちに改善したいと思っています。
- 仕事をされていて、やりがいを感じるのはどんなときですか。
やりがいを感じたのはお客様から、信頼を得られたときですね。
先方からの発注がない月があったので、在庫数の資料を確認したところ、足りていないと気がつきました。そこで「これぐらい発注しておいたほうが在庫を保てますよ」とご提案したところ、「Tさんが言うなら信用できます。発注かけますよ」と言っていただけました。
- お客様の信頼を勝ち取るためには何が必要だと思いますか。
わたしは新卒で入って、最初からお客様の窓口になりました。海外の代理店の社長さんから見たら、わたしは小娘ですから、前任者がOKしなかったことをわたしには言ってくるんです。経験が浅いからわかっていないだろうと思って。わたしは背景を調べて、資料をお渡しして、できない理由をきちんと説明して、代替案を出します。そうすると、いい結果につながり、信頼関係も徐々にできてきます。
「Tさんが担当でよかった!」「Tさんのおかげで売上が伸びているよ」と言われたときは、本当にうれしいし、やりがいも感じます。大変なことを乗り越えると、信頼関係にもつながるし、売り上げにもつながっていくと思います。
- 代理店の方はパートナーという感じですか。
そうですね。代理店はお客様というより、パートナーに近いと思っています。協力してもらわないとビジネスができないので同じチームの生産チーム(オフテクス)と販売チーム(代理店)という感じです。こちらから販売方法も提案していますし、商品の良さを伝えるコツは共有しています。それを活かしてくださり、売上が好調だと聞いたこともあります。本当に一つのチームだと思います。
- これからオフテクスでどんな風にステップアップしていきたいですか。
まず、わたしがやらなければならないことは自分の仕事のスピードアップです。より精度の高い提案を代理店にしていくことですね。次に、わたしは来年三年目で、後輩のサポートをして、先輩のお手伝いができたらと思っています。自分ができるようになったことやノウハウをひとつのパッケージにして後輩に伝えたいと思います。チームとして動いていきたいです。
- 入社1年目と2年目で見えている世界は変わりましたか。
全然違いますね。わたしが1年目にした苦労を後輩たちが経験しているのを見ると、これを乗り越えればステップアップできますよ、と思って見ています。
社会人1年目のときは、何をするのか、そもそもよくわかっていなかったですね。1年目は視野が狭くて、目の前のことしか考えられませんでした。自分のキャパシティが足りないと思い込んでいたので、1年目は業務が重なってくると「パンクしそう!」とネガティブな気持ちになっていました。そのときは、2年目の自分がやっている仕事のことはまったく想像できませんでしたが、毎日やっていることは無駄ではないので、自然と成長できた気がします。後輩ができたことも大きいと思います。
- 最後にオフテクスへの応募を考えている留学生にメッセージをいただけますか。
今、就職活動をされているみなさん、お疲れさまです。すごく大変だと思いますが、この経験を経て社会人になれば、きっとうまくいくと思います。オフテクスはこれからアメリカや東南アジアにどんどん海外展開していく予定です。
海外への進出に興味のある方は、ぜひ、オフテクスに応募してください!
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